小6の1年は、意外と余裕がありません
「中学に向けて、今のうちに何をやっておけばいいですか?」
小6のお子さんがいるご家庭にそう聞かれたとき、私はまず「中学内容の先取り」よりも、「小学校内容の土台を確認してください」と答えます。
ただ、小6の1年は、意外と余裕がありません。
修学旅行や卒業に向けた行事、最高学年としての役割などもあり、思っているより慌ただしく過ぎていきます。
だからこそ、小6の早い段階で確認しておきたいことがあります。
それが、算数・国語・英語の3つの土台です。
算数で見ておきたいのは「通分・約分」
分数の計算と聞くと、「小数も大事では?」と思う方もいるかもしれません。
もちろん小数も大事です。
ただ、中学につながる土台として見たとき、より大きく響いてくるのは分数です。
中学に入ると、文字式でも方程式でも、小数より分数を扱う場面が多くなります。
分数の足し算・引き算で通分できるか。答えを約分できるか。
分数のかけ算・割り算で約分や逆数を正しく使えるか。
こうしたスキルが弱いと、中学の計算に入ったときに苦労します。
小6の段階で確認したいのは、単に分数の問題が解けるかどうかではありません。
通分や約分が必要な場面で、正しく使えているか。そこを見ておきたいところです。
国語で見ておきたいのは「主語と述語、指示語、接続詞」
国語が苦手と言うと、つい「読解のセンスがない」でまとめてしまうことがあります。
ですが、それでは何を直せばよいのかが見えません。
私はまず、もっと基本的なところを確認します。
主語と述語が取れているか。
「これ」「それ」が、文章中の何を指しているか分かっているか。
「しかし」「だから」で、話の流れがどう変わるか分かっているか。
こうした基本が弱いと、文章を正しく読み取れません。
特に主語と述語が取れていないと、算数の文章題や、理科・社会の問題文でも、内容をつかみにくくなります。
主語と述語、指示語、接続詞は、国語だけでなく、他の科目にも影響する学習の土台です。
「うちの子は国語が苦手なんです」で終わらせず、どこで読めなくなっているのかを細かく見ていくことが大切です。
英語で見ておきたいのは、「書くことに抵抗がないか」
英語については、アルファベットが書けるか、ローマ字が読めるか、という点ももちろん大事です。
ただ、保護者の方に見てほしいのは、「英語を書くことに抵抗がないか」という点です。
小学校の英語は、英語に慣れること、聞くこと、話すことに親しむことが中心です。
しかし、中学に入ると、「読む」「書く」が一気に増えます。
単語を書く。文を書く。覚えて書く。テストで書く。
ここで急に苦しくなる子は少なくありません。
小学校で英語に楽しく触れていても、「書くこと」はまた別です。
見れば分かる。聞けば何となく分かる。でも、自分で書こうとすると手が止まる。
そうした状態のまま中学に入ると、中1の最初から苦手意識につながることがあります。
小6のうちに確認したいのは、完璧に英語ができるかどうかではありません。
見て書く、まねして書く、少し思い出して書く。
そうした練習に取り組める状態かどうかです。
3つに共通するのは、中学につながる土台だということです
通分・約分に不安がある。
主語と述語、指示語、接続詞に不安がある。
英語を書くことに抵抗がある。
こうした状態のまま中学に入ると、中1の最初から苦手意識につながることがあります。
そして、一度苦手意識がつくと、そこから立て直すのは簡単ではありません。
だからこそ、中学内容を先取りする前に、まずは土台を確認すること。
これは遠回りに見えて、実はとても大事なことです。
小6は、まだ1年あります。
でも、もう1年しかありません。
この1年を先取りだけに使うのではなく、土台固めにも使えるかどうかで、その後はかなり変わります。
小6の早いうちは、こうした見直しを始めるちょうどよい時期です。

